ないものねだり

上瞼を大きく開くようにする手術「眼瞼下垂手術」は、眼頭側が非常にむずかしい。眼尻側は簡単に開くのですが、眼頭側がなかなか開きにくいことが多いのです。この手術をしたことのあるドクターならきっと経験があると思います。

実際に目の修正手術希望の患者さんでもここの部分が下がっていることを訴える方が多い様な気がします。

原因は、眼頭側の挙筋筋力が弱いことが考えられます。もっと詳しくいえば、以前の記事で書いたことがもともと存在していることが原因ではないかと考えています。手術中に観察すると、眼尻側に比べて眼頭側の眼窩脂肪が奥に引っ込んでいて腱膜が何重にも分かれてしまっていることが確認できます。このあたりの解剖については最近美容外科学会でも指摘されています。

最近ではこの眼窩脂肪の固有膜を前進して瞼板に固定することをしていますが、見事に眼頭側が開くようになります。つまり瞼板のレベルと真の挙筋腱膜のかい離が眼頭側に行けばいくほど大きいと考えられます。

最近、患者さんから要望の多い目にこの人の目があります。

この人の目の特徴は、眼頭側の上瞼の開き方が大きく眼尻に行くにしたがって上瞼の開き方が小さくなるところにあります。(下瞼の外側が少し下がっているのも特徴ですが・・。)今日書いたことから考えると日本人には天然でこの眼が存在することは稀ということになります。

上記の方法で手術をすれば、この眼を手に入れることもそれほど難しくはないと考えます。