切開式重瞼術での重瞼ライン作成

上眼瞼切開の場合、二重の折れ返りを作るため皮膚をどこかに固定する必要があります。

この方法には、皮膚を瞼板に固定する方法、挙筋腱膜に固定する方法などがあります。

自然な折れ返りができ、かつ、折れ返りがとれにくい方法であればどんな方法でもいいと思います。

まず皮膚を瞼板に固定する方法ですが、瞼板前組織の処理をしっかりしないと固定が甘くなるような気がします。

以前この方法で手術していた時期がありますが、術後1年ぐらいで二重の折れ返りが浅くなった患者さんがいました。それはまぶたの内側にみられました。

前記事にかきましたが、瞼板前組織は内側になると厚みがあり脂肪組織も多く瞼板そのものも貧弱です。こういった解剖学的な特徴が、重瞼術後の経過に関与していると考えています。

皮膚を瞼板にしっかり固定するために、瞼板前組織も眼輪筋も極力切除する方法も考えられます。

しかしこの方法だと術後に睫毛から重瞼ラインまでの皮膚が張り付いた感じがすることと皮膚の色が黒ずんで見えたり血管が透けて見えたりします。

くっきり二重がお望みであればこの操作もいいかもしれませんが、この部分の皮膚が少しでも眉毛側にひっぱられると睫毛の裏側が見えるいわゆる睫毛外反になりやすいことにも注意が必要です。

これらの経験から、現在皮膚を瞼板に固定して重瞼ラインを作る方法はやっていません。