術後に腫れない埋没法のこつは?
埋没法による二重手術は腫れが少ない、抜糸がいらない、など休みがあまり長くとれない人に人気があります。
ところが時々この手術によって術後に皮下出血が生じ、それが原因で術後まぶたが長く腫れることがあるようです。
そういった患者さんに手術と術後の経過を詳しく聞いてみると、わからないくらいの狭い二重を希望したにもかかわらず術後腫れてしまったとのことです。よく見るとまつ毛の付け根から5mmぐらいの所に埋没糸が見られます。
解剖学的に上眼瞼のちょうどこの辺りに上眼瞼動脈弓があり術中にこの動脈を刺してしまったことが皮下出血の結果だと思われます。切開法や眼瞼下垂の手術をしたことのある術者だと時々この動脈からの出血を経験します。
この動脈は直径1mmにも満たない細いものですが、切ると結構勢いよく出血します。切開法だとすぐに止血することができますが、埋没法では止めようがありませんので、術後のひどい皮下出血になってしまいます。
患者さんは術後にばれないように目立たない狭い二重にしようと思ったことがかえって裏目に出てしまう、という皮肉な結果になります。
これを防ぐには、埋没糸を埋め込む位置を少なくともまつ毛の付け根から6mm以上離すことで防ぐことができます。(個人差はあります)
埋没法は、あまり広くとるのも問題がありますが(10mmぐらいが限界・・)、狭すぎる(5mm以下)のも術後に思わぬトラブルにあう可能性が高くなります。
経験からいうと幅7~8mmぐらいが一番安定した結果が得らると考えます。(ただし個人差はありますのであしからず)