上まぶたの修正術その2
美容外科医の真価もここで問われると思います。
医者にとっては、初回手術より2回目、3回目の手術のほうがはるか技術的に難しくなるため、修正手術はやりません、と言い切る医者もいます(自分で手術した患者さんの修正すら断るケースもあります。)
まぶたの修正手術も回数を重ねるとどんどん難しくなります。患者さんにはピンと来ないかもしれませんが、たとえ1回の「埋没法」の術後でも、切開してみると中は「瘢痕」がしっかりできていて「癒着」がおきています。(だから二重になるわけですが・・)
上瞼は厚さが5~7mmぐらいのものですが、ここに結膜、筋肉、筋膜、脂肪、皮膚などがひしめき合っています。切開手術の場合は、これらを全部はがして同定することから始まります。要するにリセットするということです。しかし癒着しているとこれがたいへん難しい。
この癒着具合は、クリニックによっても微妙に違います。たとえばKクリニックの術後は癒着がひどいとか、Sクリニックの埋没糸は縛り方がきついとか、Oクリニックは癒着が少ないとか、Mクリニックは皮膚の瘢痕がすごいとか、Tクリニックは癒着している層が左右必ずちがうとか、いろいろです。面白いことに、同じクリニックからこられた患者さんは同じような癒着や瘢痕ができています。
一度、「埋没法」の術後の修正手術をひきうけて、皮膚を切開したときに埋没の糸の結び方から「あなたSクリニックで手術を受けたでしょう?」:患者さん「えっー、なんでわかるんですか?」ということもありました。
時々、まぶたの修正手術で非常に難渋するケースもあります。
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