すっきりしたまぶた
まぶたの手術でご希望が多いのは、二重のラインを作るいわゆる「重瞼術」、次に多いのは「まぶたの厚み」をすっきりしたいというご要望です。
まぶたの脂肪を減らしたい、まぶたの皮膚がかぶっているからとってほしいというのも「すっきりしたまぶた」志向です。
まぶたの脂肪についてはいままでも書いてきましたが、眼窩脂肪と隔膜前脂肪があります。
この二つの脂肪は外観が全く異なります。手術中によく見れば簡単に区別がつく事になっています。
眼窩脂肪はひとつの大きいな塊で、隔膜に穴をあけると勢いよく飛び出してきます。隔膜前脂肪は小さな脂肪の集まりで、結合組織の間にちりばめられているような感じで存在しています。
この二つの「脂肪」を隔てるのが文字通り「隔膜」です。
ところが実際の手術中でこの「隔膜」が分かりにくく、脂肪が区別がつかないことがあります。
高齢の方で眼窩脂肪が委縮している人や、何回もまぶたの手術を繰り返している人は組織が癒着しているので隔膜と挙筋腱膜の区別に苦労します。
逆にやたら脂肪の多いまぶたでは、隔膜前脂肪がとても多く隔膜が埋もれているように存在しています。
「分け入っても、分け入っても、脂肪の海」状態です。
(出典:分け入っても分け入っても青い山:種田山頭火)
とにかく、同じ状態のまぶたなどこの世の中にはひとつとして存在していないのですから、一人ひとりの患者さんのまぶたから学ぶしかありません。
特にまぶたの修正をするときは、まずは「眼窩脂肪」を探り当てこれをランドマークにして手術をすすめる、これにつきます。
今年もよろしくお願いします。