この文献に感動しました!

業界話で申し訳ありませんが、われわれの業界雑誌に「Plastic and Reconstructive Surgery」、通称PRSというのがあります。PRSはアメリカの月刊誌で、世界中の形成・美容外科関連の優れた文献や最新情報などを中心に取り上げられています。

このPRSの2009年3月号に素晴らしい文献が載っていました。

それはフェイスリフトの術後の超長期期間の追跡調査の結果です。どの術式のフェイスリフトがどれぐらいの期間効果が持続するものか?といった疑問に答えたものです。

なにがすごいかというとまずそのフォローアップ期間が10年という長期間がとられていること。もちろん1年目、6年目、10年目と途中経過の状態もきちんと撮影できているのです。

しかしこの文献の偉大なところはそれではありません。被検者(患者さん)に2組の一卵性双生児が選ばれているのです。そして2組4人の患者さんにそれぞれアメリカの美容外科の大御所4人が手術をしているのです。

Baker, Hamra, Owsley, Ramiretzといえば美容外科医であればだれでも知っているDrです。現在でもフェイスリフトの第1人者の4人です。それぞれ新しい術式、独自の術式を発表し続けていて、我々もそのどれかを参考に手術をしているといっても過言ではありません。

こういったプロジェクトが数年前から進んでいるということは耳にしていましたが、10年経った今その結果が日の目を見ることになったわけです。

10年経った状態でみると4人のフェイスリフトの結果に微妙な差が出てきていてとても興味深いものがあります。今まで目にした文献の中でこれほど説得力があり衝撃的なものはありません。

10年経てば手術執刀医もそれだけ年をとるわけですから、こういった発表は美容外科医にとっても一生に一度できるかどうかの大仕事です。私もこういった発表ができるように日々研鑽を積み重ねていきたいと思います。

↑近所の庭のバラが満開でした。