骨切りをすれば小顔になるのか

先日、小顔になる骨切り手術を他医でうけて術後に顔がたるんだ、という相談の患者さんが来院されました。こういった相談は私のクリニックではめずらしくありません。
患者さんを拝見しますときれいに骨が削られていてとてもナチュラルな輪郭ができていました。
それにもかかわらず患者さんは「手術してから顔のたるみが気になってしょうがない、手術をしたことをすごく後悔している」とおっしゃいます。
その患者さんがとても聡明な女性であることは、数分お話をしてすぐわかりました。診察すると確かに顔のたるみがあることもわかりました。
聡明な患者さんが美容外科の手術を受けられて、このように悩んでおられるのを拝見するのは心が痛みます。
この例は、「手術は成功」したのだけれど「治療としては不成功」という典型例です。
この患者さんの治療が成功するにはなにが必要だったのでしょうか。
まず第一に、骨切りをすると顔がたるむ可能性について手術の前にお話をする、ということが必要だったのではないでしょうか。
骨切り後に顔がたるんでしまう可能性は冷静に考えれば当たり前のことですが、患者さんにとっては術前に「骨を切る、削る」ことで頭がいっぱいになってしまい術後のことまで考える余裕がなくなってしまっていると考えられます。
我々美容外科医は数々の経験があるのですから、プロとして術前に患者さんに事実を伝えるべきです。
そこまで患者さんに理解していただければ、小顔になるための手術を戦略的に考えていくことで解決のヒントが得られると考えます。小顔の手術の考え方