脂肪吸引術のコツ
脂肪吸引の難しさは、手術をすればするほど実感します。
皮下脂肪を単純に減らす、ということであればそれほど難しいことではありません。
しかし仮に太腿の脂肪吸引であれば、ほっそりしたライン、滑らかなライン、まっすぐなライン、それでもって女性的な丸みも少し残そうと思うと途端にむずかしくなります。
その原因は手術をしてから結果が出るまでが、非常に長いからです。一般的には術後3カ月で結果が出るといわれていますが、この時点ではまだまだ途中経過です。
もちろん術後3カ月ですでにでこぼこになっていれば絶望的です。それ以後自然に滑らかになることはありません。
逆に術後3カ月でとてもきれいなラインが出ていてもそれ以後徐々に波打ってくることがあります。
そうだとすれば術後どれくらい見れば「完成」と言えるのか。私の経験では短くとも1年は必要、できれば2~3年は見る必要があります。
繰り返し言います。脂肪吸引術の術後3カ月は、成功か否かの必要条件ですが、十分条件ではないのです。
美容外科医は術後長期的なフォローアップをするつもりで脂肪吸引をするべきです。それをすることで、脂肪吸引術の経験を積むことができて初めて技術も向上していくことができるのです。
私の患者さんは幸いなことに、長く診せていただける患者さんが多いので以前からこのようなことに気づくことができました。
そこで得られた私のささやかな結論は、『脂肪吸引術のコツは、「いかに皮下脂肪を残すか」にあり』です。