脂肪吸引の問題点と展望
前回の記事で触れたようにアメリカの美容外科の手術のなかでは「脂肪吸引」は相変わらず非常にポピュラーです。
しかし日本では事情が違うようです。
「脂肪吸引」というと危険なイメージが先行し、ただでさえ患者さんの手術離れが顕著な昨今にあって「脂肪吸引」はとくに敬遠傾向が著しいようです。
日本の美容外科界のドンである、ある先生までが真顔で「「脂肪吸引」は「死亡」をイメージさせるから名前を変えた方がいいのでは・・・」とおっしゃっる状況です。
イメージはともかく、私は「脂肪吸引術」は皮膚表面の傷が最小限で広範囲の手術ができる、という点で美容外科手術としては理想的な手術に近いとかんがえています。
しかし、理想的とはいってもこの「脂肪吸引術」には2つの大きな問題があります。
ひとつは皮膚の問題、そうです、皮膚については最近このブログでもさんざん話題にしてきています。皮下脂肪が減量した後の皮膚の「ひきしまり」力です。術後の皮膚のたるみ問題と言ってもいいです。
もう一つは、皮下脂肪減量プロセスそのものの問題です。減量するときに、いかに患者さんの身体への負担をへらすか、ひいては術者の負担もへらせるかです。
これも最近のブログに書きましたが、脂肪吸引術は本当に手術の術者の体力が必要です。しかも力任せの脂肪減量ではいい結果がだせないどころか、手術そのもののリスクが高まってしまいます。
脂肪吸引には術者の長年の経験が必要なのです。ある意味大工さんのような職人芸的な手術でもあるのです。せっかく経験を積んだ術者がいても年齢的な問題で体力のいる脂肪吸引術を敬遠する傾向があるとすれば、もったいないと思います。
この2つの問題が解決できると脂肪吸引術はさらに理想的な手術になるのではないか、と考えています。
去年あたりから、この二つの問題を解決できる方法が出始めてきています。それは体内照射ができるレーザーの開発です。詳しくは今後書いていきます。