オートマをマニュアルへ

前回、瞼の修正では挙筋機能と挙筋腱膜の状態をチェックすることが重要である事を申し上げました。

そしてこれらが車でたとえるとそれぞれエンジンと動力伝達機構であることもわかっていただけたと思います。

車の免許を持っている人ならご存知だと思いますが、この動力伝達機構にはマニュアルとオートマチックがあります。

マニュアル車はギアでエンジン側とタイヤ側を直接つながるので回転力のロスが非常に少なくなります。

一方オートマ車はトルクコンバーター(伝達を流体で行う)で伝達がおこなわれるので非常にスムースなのですが、マニュアルよりも力の伝達にロスが生じます。

一般的にオートマよりマニュアルのほうが燃費がいい理由はそこにあります。

さて本題ですが、瞼に開瞼力が伝わる要は挙筋腱膜が瞼板につながるところです。

通常、ここは直接つながっているわけではなく非常にルースなつながり方をしていて、車でいえばオートマなのです。

したがってここの状態によってはいくら挙筋が働いてもその力が有効に瞼に伝わらないことがありうるわけで、これが腱膜性眼瞼下垂状態と考えられます。

ここまで理解できれば、瞼の修正手術ではまず腱膜と瞼板の関係を調べ、これが緩い場合は固定する、車でいえばオートマをマニュアルに変更するということが必要になることがわかると思います。

車がわからない人には非常に分かりにくい説明で申し訳ありません。