切開式重瞼術でお約束できること
鼻の手術の記事で、術前に患者さんと結果について打ち合わせをし、お約束できることはこうこうです、といったことを書きました。
瞼の手術でもお約束できることがあります。
重瞼術で埋没法を行う場合、かなりの内容について患者さんとお約束できます。
医師にとって埋没法の結果はかなりの確率で正しく予想できるし、よほどへたくそでなければその通りの手術結果をだすことができます(もちろん例外はあります)。
ところが切開法になると事情がかなり違ってきます。
患者さんには意外かもしれませんが、「通常の切開法」で、患者さんに術後の経過・結果について常に正しく予想できる医師(正確にいえば予想できると言い切れる)は、よほどの腕前の医師か若しくは何も知らない素人医師か、どちらかです。
「通常の切開法」とは挙筋腱膜の位置決めをしない切開法、という意味です。
患者さんにとってはもちろんですが、美容外科医にとってもそういう手術は非常に大きなストレスを感じるはずです(美容外科医に最低必要とされる繊細な神経をもった正直者の医師であれば・・・なおさらです)。
逆にいいかえれば、健康な挙筋腱膜が存在していて(できれば瞼の手術を一度も受けていない状態がベスト)、それを患者さんの状態に合わせて的確に操作できる医師の技術があれば、切開法の術後をコントロールすることが十分に可能になります。
具体的にいえば、術後のおおよそのダウンタイム(私はそれを約2週間とお伝えできます)、開瞼幅(術後眼瞼下垂は予防できる)、重瞼幅(少なくとも広過ぎる重瞼幅は防ぐことができる)、重瞼ラインの強弱、これらについてのコントロールが可能になります。
その技術を身につけるには、形成外科医として「腱膜性眼瞼下垂」の患者さんの手術を100例ぐらい経験することで挙筋腱膜の操作になれる、ということが一番の近道だと思います。
それができるようになり美容外科医として切開法の経験を十分積んだあと、最終的に「通常の切開法」の修正手術についてトライできるようになると考えます。