思考パターンの解放

カウンセリングで患者さんのお話を聞くことは本当に勉強になります。優等生ぶってこんなお話をしているのではありません。

限られた時間内にその患者さんの要望を正確にくみ取ることの難しさは、想像以上です。

先日、まぶたの修正手術希望の患者さんが来院されました。その患者さんは我々美容外科医が本来「まずい結果」と思っているような状態を望んでいて、そのことが分かった時は、ショックに近いものを感じました。

これほど人間ひとりひとりの考えていることがちがうということに驚き、そして感動しました。

それは自分の狭い考え、凝り固まった思考パターンから自分が解き放たれる瞬間だったからです。

そしてその境地に達することができたことに感謝しました。一人の患者さんにつき1時間のカウンセリングができる今の状況にあらためて感謝しました。

その患者さんは、以前いくつかのクリニックで手術を受けたのですが、満足できないとのことでした。きっと今までのクリニックの先生も一生懸命その患者さんの要望をくみ取ろうとして苦労なさられたことと思うのですが、きっと理解できなかったのだと思います。

その原因としてはカウンセリングの時間が足りないこと、あとはお互いの忍耐と想像力、コミュニケーション能力が足りなかったことが考えられます。

我々美容外科医にも忍耐が必要なのはもちろん、患者さん側にも多大な忍耐が必要になります。遠路はるばる来院お疲れさまでした。