新しい手術法を確立する

人間はその人にふさわしい役割を与えられると信じられない結果を残すことがあります。

手術方法も同じです。

その手術方法にふさわしい使われ方をすれば、とてもいい結果が出ます。

これを我々は「手術の適応」とよびます。

もともと適応が決まっている手術もありますが、いろいろな試行錯誤の結果その手術の適応が確立される場合もあります。

たとえば「スレッドリフト」とは糸でリフトアップを図る手術法ですが、上手に使うと非常にいい結果がでます。

逆に間違った適応で使うと何の効果を出すこともできません。

適応があるかどうか慎重に検討する必要がありますが、そのためにはいい加減な手術をしてはいけません。

きちんとした手順で手術をしてその結果をきちんと評価することで、初めてその手術の適応が確立されます。

新しい手術というのはそれぐらいの時間と集中力、忍耐が必要です。

新しい手術をやっている、とブームに乗っかるように宣伝する行為は患者さんに迷惑をかけるだけでなく、その手術そのものをだめにしてしまう可能性があるのです。

スレッドリフトに限らず、具体的には鼻中隔延長術、下眼瞼下制術、SMAS、リガメントなど名前だけが独り歩きしているような気がします。

これらの手術法を宣伝行為に使うのは(そういうクリニックにかぎって正しく手術を行っていないという皮肉な事実があります・・)手術そのものを間違った評価に陥らせる可能があるのです。