昭和も遠くなりにけり
最近、時代は変わったとつくづく思います。
平成になって22年が経ち、昭和はリアルな時代から振り返る時代に変わりつつあります。
私は昭和時代を28年間生きていますから、平成時代よりも昭和時代を長く過ごしている世代です。
美人の基準も少しレトロなので、患者さんに「かわいくしてください」といわれるとどうしても鼻筋が高くすーっと 通って目がぱっちりして顎が尖って、という昭和な顔を想像してしまいます。
ところがここ10年ぐらいで鼻を高くしたいとか顎にプロテーゼを入れてほしいという要望がめっきり減ったような気がします。
うちのクリニックの患者さんだけの傾向かもしれませんが、鼻筋を通してほしい、という要望はあったとしても高い鼻は希望されないことが多いし、顎もこちらがかなり控えめにしたつもりでも大きすぎると感じる方が多いようです。
そこから導かれる平成時代の「かわいい顔」というのは、目はぱっちり鼻はこじんまりと小さいけれど鼻筋が少しとおり、顎は小さくて尖ってなくてもいい・・・とくれば美容外科医にとっては難題ばかりです(一般に美容外科の手術は大きくするほうが小さくするよりも簡単なことが多いからです)。
しかし「必要は発明の母」といわれるように「患者さんの希望は手術方法の母」ですからそのうちこの難題に答えが出る時がくるでしょう。
やっと答えが出るころには時代が変わって患者さんの希望する顔も変わってしまう、ということのないように・・。