後医は名医なり

不幸にも一度の手術で満足できなかった場合修正手術を考えなければならないことがあります。

他院の修正手術もありますし自分の手術の修正をすることもあります。目、鼻の修正希望が多くみられます。

いずれにしても、手術そのものは「修正手術」の方が難しいことが多いようです。それは以前にも書きましたが「瘢痕組織」ができてしまっているからです。まず「瘢痕組織」を可能な範囲で除去し、正常の解剖学的位置関係を再構築してから手術を行うため時間もかかるし出血も多くなり、難渋します。最初に行われた手術の情報が十分でないときにはもっと困難を極めることもあります。

一方「修正手術」の方が楽なことがあります。医療業界には「後医は名医なり」という諺があるように、美容でも最初の手術を手がけるよりもそののちに手術をしたほうが、患者さんの希望を実現しやすい、ということがあります。

初回の手術では、我々が考えていることと患者さんが考えている手術というものに大きなギャップがあることがしばしばです。

しかし一旦手術をお受けになられた患者さんは、いろいろな面で美容の手術というものに理解が出来ていますのでご希望もより具体的に伝えていただけます。

できれば初回の手術でより具体的に手術の詳細までカウンセリングができて、本当のご希望を１回で実現することができれば一番いいのですが・・。本当の意味でそれができるのが真の「名医」だと思います。

そこまでいかなくても、少なくとも患者さんの御希望の実現ができそうにもない場合は、「できません」とお断りをすることができる、つまり「臆病者になる勇気」をまずは持ちたいと考えています。

実現できるかどうかわからない手術を「任せてください」というのが「名医」では決してありません。