メディアの変遷とクリニックのあり方
美容外科クリニックは宣伝に力を入れるところが多いようです。
以前は広告媒体としては雑誌、チラシ、新聞、テレビといったメディアを利用するクリニックが多かったのですが、ここ5年ぐらいのあいだに様子が一変しました。
広告戦略の主軸は完全にネットに移行してきています。HP、ブログ、携帯などがとってかわっています。
クリニック側からいいますと、HPを中心とした宣伝のメリットはよっぽど凝ったものを作ろうとしなければそれほど費用がかかりません。また一度HPを作ってしまうとメインテナンスにもほとんど費用がかかりません。広告内容の規制も少なく、治療内容や医者の経歴、症例写真を詳しく載せることができます。
それに比べるとテレビ、雑誌といった宣伝媒体は規制が非常に多く、しかも費用がかさみます。そういった点ではとても効率の悪い媒体と考えられます。
10年前まではそういった媒体しか宣伝方法がありませんでした。そこでクリニックは宣伝の費用対効果を上げるために必然的に多店舗式なクリニック展開をするところが多かったわけです。
いまや来院される患者さんの9割以上がクリニックの情報をネットで得ているとしています。
こういった美容外科クリニックの宣伝における環境の変化がクリニックそのものの在り方も変えていくのではないかと考えられますし、現にそういった変化が現場でも見られます。
この時代の変化の中で従来の多店舗展開クリニックはそのメリットを完全に失い、逆に患者さんは必要な情報をネットから得て、情報を吟味したのち自分にあったクリニックの選択をおこなっています。
よくわからない近所のクリニックよりも、自分の要求を満たしてくれるクリニックをネットで探し当てそれがたとえ地球の裏側にあったとしてもそちらを選んでいくといった現象が実際に起きてきているのです。