しがらみ

こうしてブログなどを書いて情報を伝えていると、つくづく「情報の中立」の重要性について考えさせられます。

われわれの世界では、中立性が高い情報源として論文や学会発表の内容を利用することが多いのですが、その中にはメーカーの提灯持ちのような発表もあります。

レーザーなどは業者がそれを医師に無償で貸し出す代わりに、その医師はその結果を学会で発表する、ということがよく行われています。

それ自体はなんの問題もないのですが、それを引き受けた医師ははたして真に客観的な結果を発表できるのか?という疑問が生じます。

(もちろん聴いている我々のほうもそのあたりの事情はだいたい承知の上で、またか・・と割り切った気持ちで聴いているわけです・・・・・・、最近では論文はもちろん学会発表でもスポンサーが付いているかどうかを明らかにするように求められています。)

私がよく学会発表や論文で利用させていただいているシルエットリフト(以下SL)については、こういったメーカーとの金銭関係がまったくありません。

過去に1本たりとも試供品でもらったことすらないし、ましてやそれ以外の便宜をメーカーや代理店からうけたことはありません。

それゆえ私は、このSLについてはなんのしがらみもなく、良い、悪いを自分の思ったままに評価できる立場にあります。

そんななかで、実際に患者さんに使用してみると、このSLは従来のフェイスリフトと併用することでいい結果がでること、コーン(組織を持ち上げるアンカーのこと)の数を減らさないとターゲットになる部分のリフトアップが逆に難しくなること、などがわかり、それについて学会発表をしてさらに二つの論文を書きました。

(余談です、そのせいかどうかわかりません・・・が、最近のSLの製品はコーンの数を8個から6個に減らしてきました・・・)

患者さんにお伝えしたいのは、医者が勧めるものはほんとうにいいものと思いたいところですが、場合によってはどこの世界でもあるメーカーとのしがらみがあるのだ、ということをくれぐれもお忘れなく・・・。