トラブルのない診療
美容外科は、他の診療科に比較してトラブルが多いと思われがちです。
ところが実際には他の科に比べて特別にトラブルが多いとは感じないというのが美容外科医の共通認識ではないでしょうか。
日々の診療トラブルなど気にしていたら美容外科診療などやっていけないよ~と開き直って診療しているドクターもいますが、長年この診療にかかわることでトラブルを未然に防ぐ術を身につけるドクターが大半なのではないかと思います。
この件での私のポリシーは、術者は自身の身の丈に合った診療を心がけることが肝要で、カウンセリングの段階でどんなに患者さんに頼まれようと、詰られようと、恨まれようと無理な手術は断る、自分の技量では無理だと思えば丁重に手術をお断りする勇気を持つことだと考えています。
医者と患者さんの間においてカウンセリングの段階で行き違いがあったり、お互いが不愉快な思いをしたとしても、術前ならまだ百歩譲って許されようものが、いったん手術が行われてしまうとそうはいきません、お互いに一生涯にわたり心身の傷を残すことにもなりかねません。
カウンセリングで私のほうから手術や施術をお断りする患者さんは20%程度になります。また少しでも行き違いが起こる可能性があれば何度でもカウンセリングを受けていただくようにしています。(先月、術前カウンセリングを4回、計4時間受けていただいた患者さんですが、結果をお約束できそうになかったので結局手術をおことわりしました・・)
私にはどんな手術でもお引き受けできるという技量は持ち合わせていないという自覚があります。逆にお引き受けする手術は絶対的な自信と患者さんの満足をお約束できる手術であると考えています。
どうかそのあたりの事情をお察しいただいたうえでカウンセリングをお受けくださるようお願いします。
(追伸:51歳になってもなお人間的に未熟な私ですが、幸いなことに開業以来2年と半年、賢明で良心的な患者さんにお付き合いいただきトラブルのない診療を続けさせていただいています。患者さんのご協力に感謝申し上げます。ありがとうございます。)