ペリリュー島の悲劇
先日、天皇陛下が戦没者慰霊のためにペリリュー島を慰問されました。
恥ずかしながら、ペリリュー島の激戦については、最近までよく知らなかった私ですが、歴史の事実を知れば知るほど心が痛みました。
それは日本のためにこの島で戦って命を落とされた兵士の方々が、大部分の自国民(自分を含めて)に忘れ去られてきた、という事実にです。
私がこの島のことを知ったのは、数年前に毎年遺骨収集にボランティアで行かれている男性の方の話をうかがったのが初めてでした。
クリニックの患者さんで、ふとしたきっかけでボランティアの話を伺うことができたのですが、一番衝撃的だったのがその患者さんの太ももを見せてもらったときでした。
無数の大きな赤色の斑点があり、ペリリュー島でキャンプをしているときに人間を襲うアブにかまれたあとだということでした。
そのアブがペリリュー島の固有種だとすれば、きっと日本兵も当時からこういった戦争以外の要因でもずいぶん悩まされて絶望的な状況で戦ったのだと思われます。
今の平和な日本は、70年前にあったこういった悲劇を踏み台にして築かれたものだという自覚を決してわすれてはならない、と改めて思う今回の天皇御慰霊訪問でした。