今後の美容外科専門医制度の展望
本日は美容外科学会(東京)があり、参加してきました。
発表する演題はなかったのですが、今後の美容外科専門医について日本美容外科(JSAPS)専門医制度委員長の朝戸先生(独協医大形成外科)から報告があるということで聞いてまいりました。
去年の秋の美容外科学会でも報告がありましたが、今回の内容はさらに進展した内容で正直驚きました。
専門医制度を認可する第3者機関が、美容外科学会(JSAPS)を形成外科学会のサブスペシャリティーとして位置づける内容の申請に対して認可がおりた、とのことで、それも異例の早さ(申請が去年の9月で認可が3か月後の12月)だったという報告でした。もちろん形成外科学会にもこのことは承諾されている事項とのことでした。
そして本日の理事会で決まったことによると、美容外科学会のなかで、専攻医(専門医を取ろうとする医師)の指導に当たる教育専門医という資格を創設するとのことでした。
美容外科医に限らず、これからの医師は何らかの専門医(外科、内科などの18科のうちの一つ)になり、さらにそこからサブスペシャリティーの専門医を目指す、というように大きく変わるようです。
つまりこれから美容外科学会の専門医になるには、形成外科学会専門医であることが必要になります。
今のJSAPSの専門医(私もその一人ですが)は奇しくも従来から自主的にこのような制度を自らつくりあげていた、ということで先人の先生方の先見の明に敬服するとともに、私自身も、すでに30年前にはこういった時代が将来きっと来るはずであると信じて診療に励んできたことが少し報われたようでほっとしています。
ただし、私が名古屋大学の形成外科に入局したころは、多くの形成外科医局(名古屋大学を含めて)が美容外科を異端扱いし中にはこれにかかわることをご法度としていた時期があり、その犠牲になり形成外科専門医を取ることをあきらめた美容外科医がいたことを思うとやや複雑な気持ちでいます。
私の場合、名古屋大学の形成外科医局内で、厳しく禁止されていた美容外科をあきらめることなく「隠れ美容外科医」として耐えてこられたのは、意志を同じくする同胞がたまたま医局内にいたことが大きかった、と思っています。
いずれにしても正式な日本美容外科専門医制度ができることはこれから美容外科をめざす医師にとっても、患者さんへ正確な情報をお伝えする面でも有益なことになると思います。