他院の術後相談

春になって、カウンセリングが増えました。

相変わらず鼻の他院術後の相談もあり、その中には前医の診療について疑問を抱かれている患者さんからの依頼もあります。

前にも書きましたが、疑問の原因はほとんどが前医による術前カウンセリング不足によるもので、多少技術的な面で劣るところがあるにしても責められるほどではないケースが大部分です。

「術前説明」も形式的ではあるもののきちんとされているし、リスクについても十分とは言えないかもしれませんが、一応伝えられているようです。

ところが美容外科で一番大事な最初のカウンセリングが不足しているので、最初のボタンの掛け違いが起きてしまい、そのあとどんなにきちんと術前説明されようとも、さらにまともな手術がおこなわれようとも、患者さんの満足につながる結果にはなりません。

比較的良識のある前医であれば「なぜこれだけ術前にきちんと説明しているのに、満足していただけないのだろう?」と疑問に思っているにちがいありません。

真のカウンセリングとは、極端にいえば常に「手術はしない」という選択肢が用意されていなければいけないものです。

普通のクリニック側からいえば、宣伝費をかけてきてもらった患者さんに手術をすすめないという選択肢はあり得ません。

カウンセリングと称してはいるものの、それは最初から手術ありきの単なる術前説明にしかすぎない、ということを患者さんは肝に銘じて診察を受けるべきです。

また手術が不幸な結果に終わったとしてもそれがどんな結果であれ、前医を恨むのではなく、次からは美容外科というものをよく理解したうえで前向きに考えていただけることを望みます。