円高が日本人に及ぼした影響がここまで・・・
これも世の流れのせいだったのでしょうか。
先日、韓国で美容外科手術を受けられた患者さんがうちのクリニックに相談に来られました。
相談内容はよくあるもので、日本で手術するよりも安いから韓国で手術を受けたのだが、本人の考えていた結果と違うのでなおしてほしい、というものでした。
うちのクリニックの原則として手術の修正はまず手術を受けたクリニックに相談するようにおすすめしているのですが、ご本人はもうそのクリニックにはいきたくないということでした。
わけをたずねると、術後電話(もちろん国際電話)で相談は試みたそうですが、医師は全く対応せず日本語をしゃべることができる受付の女性としか話ができなく、そのうち疲れてしまってあきらめたとのことでした。
かなりいろいろな手術を一度に受けておられるので修正もかなり難しく、ご予算的にも余裕がないとのことで実際にうちのクリニックでの修正手術には至りませんでしたが(ほかのいくつかのクリニックでも同じように断られているとのことでした)、なんともやるせない気持ちになりました。
最近円安、円安と騒がれていますが、私の考えはそうではなく、逆に2012年までの過去4年間が異常な円高でそれによって日本の世の中のいろいろなところにひずみを生んでしまったと思っています。
デフレ、空洞化は我々の生活に染み付いてしまい、とにかく安ければいいから外国へ、という風潮を生みだしました。
この流れは美容の手術のようなきわめてパーソナルなデリケートな問題にまで影響を及ぼし、その結果が先に書いた悲劇を生みだしたといえます。
これは言ってみれば、外国に行って安いものを買いあさった結果、その中に壊れているものがあり帰国後にそれを直してもらえるところはないかと探し回るようなものです。
日本人である患者さんも我々美容外科医も、こういった状況はお互いにプラスになることはなにもありません。
せっかく円安(私は適正な為替水準と思っています)になったわけですから、こういった日本の将来にかかわる重要な問題をもう一度考え直す絶好の機会にしたいものです。