学会での心構え

今回の学会に限ったことではありませんが、たくさんの発表演題の中で本当にためになるものを聴けることはそれほど多くありません。

私が聴いて素晴らしいな、と感じるのは、学会発表の内容が事実をもとに客観的に語られている演題です。

演者が行っている方法について、なぜその方法に至ったか、その方法のどこが優れているか、限界はどこにあるか、今後の改善点はなにか、などきちんと語られると、その先生の科学者としての良心、真摯な態度に感動するとともに、演題の評価も高くなります。

この方法がいいですよ~だけでは、一般の患者さんには通用しても、科学者としての医師には響きません。

自分の行ってきた手術や施術に自信を持つことも重要ですが、今よりさらに改良改善しようという気持ちや態度をなくしてしまったら、科学者としての進歩が失われてしまいます。

私自身が演題を発表したあとの議論でも、私より経験のあるドクターの意見を拝聴できることは本当にありがたいことで、その意見を参考にさらに考えを深めるきっかけにすることもできます。

そういった心構えを失った時に、自分自身の進歩もなくなるということを肝に銘じて学会に参加するようにしています。