技術とアート

現実の医療現場で一人前の医者になるには、とても長い修練が必要とされます。

内科であれば診断技術、外科であれば手術手技を習得することを目標に努力することになります。

美容外科においても同様に、ある一定期間以上の修練が必要とされます。

ところが、それほど長い修練を経ずに美容外科診療を行うこともできますし、実際にそういう医師が存在します。

なぜだろうと考えると、美容外科にはほかの科にない「アート」の部分があるからではないかと・・・。

一般的にはアートに必要なものは直感力と創造力とされます。

砕けて言えば「センス」といったものでしょうか。

患者の気持ちを瞬間に察し、たいして効果のない治療でも相手を喜ばせてあげられる能力、など天性としかいいようのないものを持った美容外科医は人気があります(往々にしてそういった美容外科医は宣伝もうまく、時代の流れにも乗っていけてます)

・・・ここまでは一般の人でもなんとなく理解できる話ですね。

この反対の話となるとなかなか理解するのに難しくなります。苦しいかもしれませんが最後まで読んでください。

つまり、技術を習得するにも直感力や創造力を必要とし、逆にアートには厳しい修練が必要とされる、と考えたらどうか・・ということです。

著名な芸術家の作品を見て簡単にまねできそうな「絵」があったとします。

でも絶対にまねできない、ですよね。

彼らは膨大な時間の修練を積み、凡人にはとうていまねのできない努力を積んできた結果、歴史的な作品を残すことができたのです。

逆に技術を習得するのに、マニュアル通り努力すれば全員同じレベルに達することができるかといえば、そうでもない・・・。

つまり技術の習得にもセンスがいる、ということになるのではないかということです。

アートと技術の間に位置する「美容外科」には、人並み外れた直感力創造力を持っていることと、努力と修練をいとわない自己規律の両方を兼ね備えていることが必要なのではないか、と最近考えていたところ、全く同じことを言っていた人がいて、感動しました。

その人はアップルの創業者スティーブジョブズです。