数学受験勉強法

寒くなってきました。

寒くなるとなぜか思い出すのが大学受験生活です。

私自身、受験生活から35年もたってしまいました。

医学部を受験しようと考えている人に少しでも役立てればと思ってちょっと書いてみます。

私は生まれつきの天邪鬼性格のせいか、受験時代を含めて生涯一度も塾らしいものに通ったことがありません。

出身高校もいわゆる進学校ではなく普通の公立高校でした。

当時、過去に医学部に入った人は一人か二人だったと思います。

担任の先生も私の進学指導に戸惑っていて、「大口君、なんで名古屋大学の医学部にいかないの?」と的外れな進路指導にこちらも困惑するといった程度のものでした。

そんな環境でしたから、自分の好きなように勉強できたのはむしろラッキーでした。

自分で考えた勉強方法でとにかくやってみよう、誰からも強制されたわけではないから成功しても失敗しても自分自身納得できるはずだと思ったのです。

前回書いたように、医学部受験には「数学」が必須です。

数学の受験のこつは結局「暗記」だと豪語するドクターもいますが、私は真逆の勉強方法をとっていて、要するに一度解いた問題はできるだけ「忘れる」ようにしていました。

暗記にたよって数学の問題を解こうとすると膨大な問題を解かなければいけませんし、過去に似た問題が出題される可能性があったとしてもほんのわずかです。

それよりも良問を500題程度繰り返し解いて、その際にできるだけ前回解答したやり方を思い出さないよう新鮮な頭で解くようにしていました。

ある問題を目の前にして、最初にまず自分が何を考えて解こうとしているか客観的に自分を観察しながら解答をする、というように心がけると効果的でした。

これを続けていくと、数学で本当に暗記しなければならないものなどほんのわずかだということに気づきます。

そうなるとさらに数学の勉強の効率があがります。

また暗記して解くよりも考えて解くほうがミスも起こしにくいようです。

自分の引き出しで解答が導けないものは、その問題が良問であればその解答の真髄を新たに頭に取り入れ、そうでなければ役に立たない問題として捨ててしまいます。

あくまで自分のペースで考え、そして解いていく姿勢を貫くことが数学の対処法だと思っています。

この解答方法は実は、今日の診療場面で色々な問題を解決する上で今だに役に立っています。

この方法でただ一つ注意しなければいけないことは、自分の思考パターンが独りよがりにならないようにすることで、たとえば受験では定期的に模試を受けること、診療では学会発表をすること、といった機会を利用して自分のやり方が間違っていないか常に客観的なチェックをうけることです。