日本の未来を考えると・・・

たまにみるテレビで、日本の職人さんの素晴らしい職人技によって作られた工芸品などの紹介番組を見ることがあります。

作品の素晴らしさに心底感心いたしますが、一方で毎回見終わったあとに違和感を感じるのも事実です。

それには二つあって、まずそういった職人さんはどなたも決まって高齢者で若者が極めて少なく、会社勤めならとっくに定年を超えている方ばかりであることと、もう一つは長年一生懸命働いてこられた割には決して豊かな暮らしをされているようには見えず、道具や工場家屋など設備が極端に古くて(もちろん使い慣れている道具が一番、ということかもしれませんが)俗な言い方をすれば報われていないのかな~と思ってしまうことです。

ご本人が金銭的に報われていることだけが評価ではないとはいえ、この素晴らしい職人技が次の世代に受け継がれていかなくなってしまうのではないかということが何よりも心配です。

テレビ番組ごときに取り上げられるぐらいですから、情報発信は十分なのかもしれませんが、もう少し世間の人に正当に評価される機会があるといいのではないかと思うのです。

職人芸で細々と作られている作品や品物が、国内では見向きもされず、いきなりヨーロッパやアメリカの国々で評価されることもある、という事実からは品質だけで勝負できる可能性もあると考えられるのでしょうが、やはり日本人の仕事の評価はまず日本人自身がなすべきことと思います。

安ければいい、という今の日本人の消費における風潮に疑問を持ち始めてからは、食べ物でも衣服でも趣味のものでも、外国製の安いものを喜んで買うようなことはやめて、自国製品の生産・製造にかかわっている人に思いを馳せながらまずはそれらを手に取ることから始めようと思っています。