本格的な手術を考えている美容外科医にとって必要な形成外科のトレーニングとは
美容外科と形成外科は違う分野であることを、何度となく書いてきました。
しかし美容外科の仕事をしていると形成外科の必要性をつくづく感じます。
形成外科の考え方で、美容外科にもっとも必要なものはなにか?
それは・・「皮膚の状態を知ること」と「皮膚の扱い方を知ること」・・この二つを習得することが必須と考えます。
それは、手術やレーザーに限らず、とにかく難しい症例を経験した時に特に感じます。
美容外科の手術の結果に一番大きな影響を及ぼすものは最終的に「皮膚」の状態です。
簡単に言ってしまえば、皮膚が「いい状態」であれば結果はよくなります。
したがって、形成外科の必要性を感じていない美容外科医がいたとしたら、それはたまたま「皮膚の状態がいい」という条件でしか仕事をしていないからだと思います。
困難な症例を経験している時に、「ここまでならいい結果が出せる」とか「これ以上は無理だ」という判断に常に迫られますが、その時に一番必要なことが「皮膚の状態」の判断なのです。
ここの判断を誤るととんでもない結果になってしまいます。
たとえば美容外科の手術では、通常ほとんど何事もなくいい結果が出せるのに、悪い結果が出る場合はとんでもない結果になってしまうのは、こういった理由からだと思っています。
美容外科からスタートして困難な症例までこなせるようになったドクターがいたとしたら、きっと美容外科の患者さんでこういった経験を乗り越えられた医師なのだと思います。
それはそれで立派なことかもしれませんが、患者さんの立場からするとそのドクターの礎(経験の踏み台といってもいいでしょう)になった患者さんにとってはいい迷惑です。
そういった不幸なことが起きないように、今後美容外科で手術を主体に仕事を考えているドクターには、ある程度の形成外科のトレーニングを積まれて皮膚を扱うことを知った上で美容外科に進まれることをお勧めします。
皮膚の何を知ればいいのか・・・・それは形成外科で1年間仕事をすればわかります。
皮膚をどう扱えばいいのか・・・それは形成外科で3年間仕事をすればわかります。