正直はつらいけど・・・いいこともあります
某美容外科でおこなわれた糸による「フェースリフト」で効果がないどころか術後の痛みの被害で患者さん数人が訴えを起こしたそうです。
実は数か月前に美容外科学会の役員の先生からうちのクリニックに、スレッドリフト(糸によるたるみ治療の総称)に関する私の客観的な意見をお聞きしたいという依頼を受けておりました。
私自身がここのところ毎年、スレッドリフトに関する発表を学会で行ってきた関係だと思います(今年の9月の美容外科総会にもシンポジストとして依頼を受けています)。
ちなみに私のスレッドリフトによるフェイスリフトはこういったケースで行われている「スレッドリフト」とはまったく異次元のものです。
糸による(糸単独で行われる)フェイスリフトの効果が3か月以内で無くなってしまうことは、我々のように真面目に手術をしている美容外科医の間では常識です。
それではなぜこのようなことが起きてしまうのか・・・。
その答えは、私の過去の記事を読んでいただければすぐにわかります。
彼ら(訴えられた美容外科で働くお医者さんたち)は、効果があろうがなかろうがとにかく手術をしなければいけないのです。そうでなければ彼らも生きていけないのです。
効果のない手術とわかっていても、患者さんにその手術を受けてもらわないと商売が続けられないのです。彼らも毎日患者さんにうそをつき続けるのは心の中では苦しいはずです。
彼らにとって、術前カウンセリングで「この方法だと効果は3か月でなくなりますよ」という「本当のこと」は口が裂けても言えないのです・・・(ちなみにうちのクリニックではそのような手術を患者さんに求められたときには、正直に「3か月で効果がなくなりますけどいいですか?」・・とお聞きするので、患者さんのほうがあっけにとられています)。
こういった事情を御理解できれば、患者さんがのちのち後悔するような美容の手術を受けてしまうことはなくなります。