美容外科にまつわる誤解
最近では美容外科手術に関する情報もネットで比較的得られやすくなってきて、カウンセリングを行っていると一昔前に比べると手術のリスクなどに詳しい患者さんが増えてきたと実感します。
それはそれでいいことだと思います。
しかし、一言で手術のリスクといっても色々ありますのでそこに誤解が生じることもあるようです。
例えば、手術のリスクには神経損傷や傷跡の問題などほかの外科系の手術と変わらないものがある一方で、美容外科手術には特有のリスクがあることは意外と知られていません。
そのリスクとは、、、
「術前に考えていた結果と実際の結果が違う」というものです。
いわれてみると簡単なことですが、実は美容の手術で最も起こりうるリスクとは、患者さんが期待していた結果が得られない「リスク」です。
少し特殊な話になりますが、団子鼻を解消したい、すっとした鼻先にしたい、という希望で鼻尖縮小術を受けたとしましょう。
一般の美容外科クリニックでは、鼻尖縮小術を「請け負って」くれますが、「患者さんの期待する鼻先にすること」を100%請け負ってくれるわけではありません。
このパターンで、患者さんが満足する結果になる可能性は私の考えではかなり低いと思われますので、患者さんにとってこの状況はかなり高いリスクを負うということになります。
美容外科手術において神経損傷や皮膚壊死といったリスクはかなり重大なリスクですが、めったに起きるものではありません。
ところが、カウンセリングしていて、前医の手術の結果に「期待外れ」だったというリスクは頻繁に遭遇します。
こういったリスク話は、美容外科の先生ですらご理解していないことが多いのですから、ましてや患者さんには想像することも難しいことかもしれません。
今後機会があれば、こういった美容外科にまつわる「誤解」について記事を書いていこうと思っています。