美容外科の研修システム

自分の経歴をあらためて振り返ってみると、本当にじぶんのやりたかったことにたどりつくまでに10年間かかっていることに愕然とします。

10年というのは24歳で卒業してから35歳ぐらいまでのことですが、当時も同じ思いを抱いていたはずです。しかしこの歳(50歳)になると10年という時間の重みがまるで違って感じるのです。

大学を卒業して曲がりなりにも形成外科と美容外科に従事できるようになったのが35歳ごろです。その間ずーっと美容外科をやりたいと思っていたにもかかわらず、麻酔科・救急2年、整形外科2年、頭頸部外科2年、リサーチ(ねずみを使った実験)3年を経てやっと形成外科と美容外科にたどりついたからです。当時、美容外科はおろか形成外科の研修すらまともにできないありさまでした。そのあたりの経過はこちらを参照してください。

もう少し効率のいい研修はできなかったものかと悔やまれることもあります。なぜならもう10年早ければ、今の診療を40歳でできていたのかもしれないからです。

これから形成外科・美容外科を一生の仕事にしたいと考えている若い先生には少なくとも私が経験してきたよりもましな研修ができるように、大学や学会が中心になった研修システムが用意されることを切に願います。