美容外科医になるためにその11~矛盾の塊の世界
「その10」で書きましたように、今の八事石坂クリニックを開業するまでにおよそ6年間の準備をしました。
私自身の慎重な性格も関係していますが、開業までにこれほどの時間が必要だったのはある心配事があったからです。
開業前にいろいろな美容外科で勤務医として働いていたので美容外科の経営の実態はよく知っていました。
保険診療に頼らない100%自費診療で開業するにはある意味きれいごとでは経営が成り立たないといわれています。
美容外科手術を主体としたクリニック経営は、ある意味「矛盾の塊」です。
手術の適応を厳密にし、術前カウンセリングで十分な時間をかけ、手術についての厳密なインフォームドコンセントを行い、手術中は患者さんの満足度だけを考え、自分自身が持てる力を100%発揮することができる環境を維持する・・・・これだけ考えても患者さんにとっては当たり前のことかもしれないことが美容外科クリニックを経営するうえでは大変なこと(これは患者さんに手術についてきちんと説明をすればするほど時間がかかるうえに、逆に手術を受ける患者さんは減ってしまうという一番恐ろしい状況になります・・・ここがほかの科とちがう美容外科の悲しさですね・・・また患者さんも美容外科医自身も納得できる最高の手術には恐ろしく時間と費用がかかるのです・・・)だと思い知らされます。
要するに厳密にこれらを守れば、費用と時間がどれだけあっても足りない状況になるため、経営の効率を考えるとそれらのうちどれかを犠牲にせざるを得なくなります。
この状況は、これから夢をもって開業する美容外科医にとってはとても恐ろしいことです。
私の場合この大問題を解決できる方法を見出すのに6年間の時間が必要だったのです。
具体的にそれは何か・・・ここで書きたいのはやまやまですが、なんせネットの世界は「揚げ足取り」「同業者の嫉妬」がうごめく世界ですから変な風評を立てられては困りますので・・・書けません、あしからず。
確実に言えるのは、美容「外科医」としての実力を身に着ける努力を怠らないことと、もう一つは実力があるだけではだめなのだと身に染みて思うこと(「実力のある美容外科医」というだけで満足してはならない)、さらに言えば一般の美容外科医の常識にとらわれず自分を「患者さんの満足」という原点に立ち戻らせること、などです。
そうやって考えると「美容外科」はまだまだ改革する余地にあふれるとても魅力のある世界に気付くことができます。