美容外科医になるためにその13~卑しい美容外科医にならないために

タイムリーなニュースが出ましたね。

「大手S美容外科を相手に患者40人が訴訟」という記事をもう読まれたことと思います。

その中に患者さんの訴えでこんなことが書かれていました。

「術前にこうなること(術後痛みが消えない)を知っていたら手術を受けなかった」と・・・。

実にごもっともな訴えで、患者さんが本当に気の毒で同情の念を禁じ得ません、一日でも早く回復されることを願っています。

ここで一言、お叱りを受けることは承知で言いますが・・・S美容外科の医師もそのことは術前から十分知っていた、だからこそ患者さんには伝えられない・・・とも考えられます。

彼ら(S美容外科の医師たち)は歩合制で雇われていて、高い手術をすれば給料が上がるシステムで働いているのです。

患者さんが手術をやめてしまうようなことを術前にわざわざ言うでしょうか?

もちろんこんな美容外科医になってはいけません。

では、そういった美容外科医にならないようにするにはどうしたらいいか?

答えは簡単です。

美容外科医は「患者さんに手術(施術)をすることで、儲けて、自分の生活の糧にする」という発想をやめることです。

間違えてはいけないのは、「儲けるな」と言っているのではないのです、ボランティアで患者さんに奉仕しなさい、と言っているのではないのです、ましてや人並み以下の生活をしなさい、と言っているのでもありません。

ある有名な本に書かれていたことで、「rich manの定義」において「何も仕事をしないで何日生活できるか、それがrich manの尺度だ」というのがあります。

手術を希望する患者さんがいる、いないに関係なく、淡々と理想のカウンセリングを続けられる美容外科医になる、つまり美容外科医は本当のrich manであるべきだというのが私の考えです。

自分が何も仕事をしなくても普通の生活ができる立場になれば、逆に純粋に美容外科(に限らず本当に自分の好きな)の仕事に心置きなく専念できます。

そうすれば「患者さんの満足」という原点にもどった本当のカウンセリングや手術が自然にできるようになります。