美容外科手術でトラブルを避けるために11

シンプルな手術法で患者さんの8割を満足させられる手術とは?

すでに過去のブログで書いてきた方法が大部分ですが、ここでまとめていきたいと思います。

まず「上下瞼の手術」から

埋没法、切開法(挙筋腱膜固定)、眼瞼下垂手術、隔膜前脂肪切除、眉下切開、目頭切開、目尻切開、下眼瞼下制術、下眼瞼脱脂術、下眼瞼切開術、上眼瞼脂肪注入術、下眼瞼脂肪注入術

瞼に関してはまずはこれら一つ一つで確実に結果が出せるようにすることが先決です。

これらで安定した結果が出せないうちに、これら以外の手術をするのは身分不相応です。

これらで確実な結果を出して術後にトラブルを起こさないようになるまでに普通10年はかかります。

まず上瞼の中で、埋没法は美容外科の手術の1丁目1番地です。

これを覚えなくして美容外科の手術は始まりませんし、これ自体がシンプルな方法です。

しかしこの手術でいかにトラブルを減らして患者さんの満足度を上げるかを考えることは重要です。

この手術の優れている点は、術前にかなり正確にシミュレーションができる点です。

ブジーを用いて二重の状態を作って患者さんに診てもらい、その時の患者さんの反応を観察します。

二重幅、瞼の厚み、ラインのでき方(食い込み方)など、その時の状況をできるだけ客観的に説明します。

患者さんは漠然と見ているだけなので、こちらからはできるだけ状況を細かく説明します。

よくないと思われることでもどんどん指摘します、例えば二重にするとかえって瞼が厚ぼったく見えるようになってますよね、とか。

セールストークなどは一切いいません。

患者さんが嫌そうな顔をすれば、埋没では希望通りにならないかもしれないことを正直にお話しします。

その理由は、埋没法によってできる二重を実際にみてもらって、それを基準にして潜在的に患者さんが希望している二重を具体化したいからです。

要するに埋没法には試金石的な役割があり、その患者さんに埋没法で得られない要望があるかどうかが埋没法によって逆に明らかになる、ということです。

そのほかにも埋没法をぜひマスターしなければいけない理由がありますが、最後にまとめておきます。

二重切開法については、瞼板に癒着させて二重をつくる手術ではだめです。

何故なら結果が不安定だからです。きちんと検診をしているドクターならこの方法ではだめだということを知っています。

挙筋腱膜の操作が自由に行えるようになって初めて上眼瞼の手術を自分でコントロールできたといえます。

瞼板法では癒着などという神様しか結果がわからないような現象に運命を託す手術で、これでは術後のトラブルを避けることはできません(術前にお約束した結果を具体化できない手術はトラブルのもとだからです)。

ここまでのまとめ

1埋没法のマスター(術後の腫れが少ない方法を選択 糸が瞼の中でスクエアになる方法が望ましい、締め込みが少ないことで術後の腫れが少なくなる)(結び目をできるだけ小さくするが、術後に見つけやすいことが重要 埋没法の最大の利点は術後に戻せることだから)(取れない埋没法とか結び目がわからない方法というものがいかにばかげているか、それはファンタジーで現実にはトラブルの元になります)

2切開法のマスター(挙筋腱膜を知らずして上瞼を触るべからず アクセルとブレーキのない車に乗るようなものです)(自分でコントロールできない車に乗ったらあとは目的地に着くには道路の状態に身を任せるしかない、運が良ければ目的地に着くこともあるかも)(まずは開瞼幅を自分でコントロールできるようになるまでは二重幅がどうのこうのいうのは無意味)(なぜなら開瞼のぐあいで二重幅などどうにでも変わってしまうから)