花粉症の記憶
今年は、花粉症がひどくありません。2月も終わろうとしていますが、いまだにアレジオンを服用していません。
テレビでも花粉の量が例年より少ないと言っていました。去年の夏が冷夏だったからの様です。
「花粉症」という名前が一般的になったのはここ20年ぐらいではないでしょうか。
医学界で、花粉症について次々に「発見」されたのは1960年代ですが、患者さんはそれよりもずっと前から存在していたようです。
私も筋金入りの「花粉症」ですが、病名を知ったのは二十歳ごろだと記憶しています。症状は幼少時からありましたが、病名がなかったのでただの鼻炎持ちと片づけられていました。
鼻づまりがとくにひどく、夜が眠れないほどでした。小さい頃は親と同じ部屋で寝ていましたが、鼻が詰まりだすとみんなも眠れなくなるので一人隔離されてさみしい思いをした記憶があります。
「自分はなんでこんなに鼻が詰まるのだろう」と不安に思った時期もありましたが、「花粉症」という病名が一般的になってからは、「花粉症が始まった」ぐらいで不安になることはなくなりました。
このように病名がつくと不思議に「自分の症状はほかの人にもあるのだ」という安心感から気が幾分楽になります。
診療していて美容の手術後の腫れなどで心配な患者さんにも、一番安心していただけるのは、ほかの患者さんの術後経過について具体的にお話をして差し上げることだと思います。
「私だけが特殊ではない」とわかれば、安心して術後の数週間を過ごしていただけるようです。