若返り手術その15

今回はちょっと愚痴になるかもしれません。

実は、前回書いたように今年の3月に脂肪注入の残存率についての論文が形成外科学会誌に掲載されました。

論文を投稿したのは去年の9月ごろですが、論文掲載が決定するまでに3~4回学会事務局とのやり取りがありました。普通、論文を投稿すると3人ぐらいの査読者が付き(こちらからはそれが誰かはわかりませんが)、コメントがつけられます。

その中のAという査読者からなんと「掲載不可」のコメントでした。その理由として、計測法が脂肪の残存率を表しているとは思えない、という驚愕の内容でした(ほかの査読者B,Cは常識的なコメントで2~3の訂正の上で掲載可ということでした)。

少なくとも脂肪注入後3Dカメラで体積を測る方法は、脂肪注入による豊胸術では英語の論文も発表されていてその論文も参考文献に入れてあったにもかかわらず、です。

査読者Aがこの方法以外にもっと優れた方法を知っているならそれをコメントで書くべきですが、上記のような無責任な内容で、根拠のない否定の仕方に憤りを感じました。

そんな時に、youtubeで山中伸弥先生(iPS細胞の研究で2012年ノーベル賞を取ったことはよく知られています)の公演を聞き、あの山中先生でもアメリカから日本に帰ってきたばかりでアメリカの研究所のバックアップがなくなったとたん投稿論文が通らなくなった、という話を聞きました。

先の査読者Aも、一美容外科開業医の論文などインチキな内容と決めつけて驚愕のコメントをつけてきたのかもしれません。

その後、事務局もその辺を感じ取ったのか査読者Aのみ交代させて、再審査となり結局掲載決定になりましたが、こんな無責任なコメントを返されるようだと投稿する意欲がなくなります。

査読者Aに直接話をして、掲載不可のほんとうの理由を聞きたいところですが、それができなければこの査読者Aのコメントは、ネットで誹謗中傷を書き込む人と同じレベルと思われても仕方ないと思います。

理屈だけでは通らないのが世の常でしょうが、ちょっと情けない気持ちになりました。