食品期限問題に関連して
中国における期限切れの食肉が使用されていたことが問題になっています。
この手のニュースには、最近ではさほど驚かなくなりましたが、根源に横たわる問題には根深いものがあります。
なぜ期限が切れた材料が使われたのか。
在庫管理上、期限切れの材料は廃棄になるのが普通でしょうが、経営効率という点ではこれを極力避けたいのが経営者の考えるところです。
仮にこれを廃棄にしなかったとしても、消費者にはなかなかわかりません。
つまりこの問題の根底にあるのはやはり情報開示の問題と考えます。
この食品会社の従業員が「期限が切れていても死にはしない」と言い放ったそうですが、確かにそれはそうかもしれません、しかし本当にそう思うなら期限が切れていることを開示すべきで、そこを開示せずに安売りで経営を優先することが問題なのです。
食品期限問題も非常に重大ですが、これが医薬品になると人体への直接的な影響はさらに大きいため、我々は特に注射液の管理に日頃から非常に神経を使っています。
一例として比較的手軽な若返り手段として人気のあるヒアルロン酸注射ですが、うちのクリニックではスタッフが厳重に管理しているのは当然ですが、念のためまた情報の開示の意味で患者さんにも直前に注射液の現物の確認(製品名、内容、容量、未開封保存状態など)をお願いしています。
患者さんに申し上げたいのは、施術料金が安いことばかりに熱心になるのではなく、クリニック側に情報の開示をきちんと要求する姿勢が、不良なクリニックを駆逐する一番の近道だということです。