自民党の敗因

今日は政治の話です。つい数年前には考えられないことが起こった、それが今回の政権交代でした。

民主党が圧倒的な勝利で終わった今回の衆院選でしたが、これは民主党の政策がよかったからというよりもかなりの割合で「勢い」というものがはたらいた結果と考えられます。

昔からしょせん「勝てば官軍」ですから、民主党の勝因にはそれほどの興味がわきません。それよりも私が今回の選挙で注目したいのは、「自民党の敗因」でした。これほど長く政権を維持してきた「自民党」が一夜にして野党に転落してしまった理由はなんだったのか。

それは「古い体質」と「伝統・理念」が混同されて党内がばらばらになってしまった結果のような気がしてなりません。

時代に迎合する政策ばかりでは単なる人気取り政党、ばらまき政党になってしまうし、かといって机上の空論のような理念だけでは具体性がなく国民の支持がえられません。

このバランスが実はとても難しいことであるのは、政治の世界だけではありません。ここを誤ってしまうととんでもない結果になるのは、我々美容外科の世界でも同じです。

美の基準には、時代を超えて生き続ける「真実」というものがある一方、ファッションとして一時たりともそこにとどまらない「流動性」の両方を兼ね備えています。

次から次へと登場する美容器械に振り回されながら、それでも「私の美容外科に対する考え方」を維持していかなければいけない、そんなことを考えながら日々の診療に追われているのがいまの美容外科医ではないでしょうか。

そのどちらかがかけてしまったクリニックは、いつか「自民党」と同じ轍を踏むことになるのではないか、というのが今回の衆院選で痛切に感じたことです。