繰り返す愚かさ
今日は久々にゆっくりした日曜日となりました。というか思い返すと日曜日になにも予定のない日は医者になって初めてかもしれません。今日は美容とは全く関係のないお話。
最近の円高と世界同時株安にはちょっと驚いています。円高は我々のようにレーザー器械を輸入する立場からするとありがたいものですが、そうとばかりはいっておれません。不況の波が押し寄せてきている予感がします。
サブプライムローン問題からここまで影響が広がってしまったのをだれも予測できなかったのでしょうか?アメリカにはノーベル経済学賞級の学者がいっぱいいるにもかかわらず・・・。
そこで去年2007年の春、まだサブ・・問題が表面化する前の5月ぐらいにある雑誌で、こんな記事を読んだのを思い出しました。すでにそのころから米国で住宅バブルが崩壊しそうだという警告がでていたのですが、ある米国通の日本のジャーナリストが「今回の米国の住宅ローン問題は、日本のバブル崩壊当時とはちがって金融システムが世界的に発達しているので深刻な問題にはならない」と言い切っていました。
結果はこれとはまったく逆で、1国の住宅ローンの問題が世界的に肥大化した金融システムの結果、連鎖同時株安にまでつながってしまったと考えられます。
ここでの教訓は、「今回はちがう、今までとはちがって大丈夫」という言葉がでたらそれはバブル崩壊の予兆なのだということです。特にバブルの絶頂期には、世間は必ずこの様なニュアンスになるようです。日本の土地バブルにおいては今までとはちがって永久に土地の値段は上がり続けると思われていました。米国のITバブルでは、ドットコムが名前についていれば株価は天井知らずに跳ね上がり、バブルの警告が何度あっても「今回はいままでとはちがってバブル崩壊は来ない」とささやかれていたそうです。
「経済」は「科学」とちがって理論では予測不可能だといわれていますが、「人間の経済活動は同じことを繰り返す」という事実は揺るがないものと言えそうです。人間は経済活動において同じ失敗を何度繰り返しても懲りない生き物なのですね・・。