尊敬できる人物

新幹線の話で触れましたが、新幹線を実現させた立役者、島秀雄は私の尊敬できる数少ない日本人です。

一般の人にそれほど知られていないのは、島秀雄は政治的駆け引きが苦手で目立つことをよしとしない人のようで、それだけに表舞台に立つことはめったになかったからだと思います。

頭脳は明晰、人格も申し分ない人でその業績の偉大さにも関わらず、あまりにも謙虚で周りからの評価が遅れてしまい晩年にやっと文化勲章を受けられたそうです。

世の中には、このように人格者で業績がすぐれていても不器用で目立たない性格のために評価されない人がたくさんいると思います。

歴史でも多くの傑出した人物が紹介されていますが、それ以外にもほとんどの人がしらない不器用な偉人が多くいます。逆にそういう人たちほどのちの世の中に本当に役立つシステムを考えていたようです。

最近ちょくちょく評価されてきた白州次郎は、15年ぐらい前に知る機会があり興味がわいたので彼について書かれている本をすべて読んだことがあります。

幕末の大村益次郎は、かなり変わり者ですが、日本にいち早く軍隊のシステムを取り入れ近代戦の考えを定着させた軍神です。35年ぐらい前にNHKの大河ドラマ「花神」(司馬遼太郎原作)で取り上げられましたが、視聴率は最低だったようです。

私は目立たなくても本当にいい仕事をする人が好きですし、そのような人が評価されることがうれしく感じます。世の中捨てたものではないな、と。

人物に共通するところは頭脳が明晰、独創的だが、独善的でなく、目立たなく、周りからの評価はちょっと変わり者、政治的な表舞台に立つことをきらい、私利私欲がなく、自分の信念で自らやりたいことを頑固なまでに貫く人物。

それが私の尊敬する人です。いつかこの歴史上の巨人たちの足もとにすこしでも近づくことができれば・・と考えています。