美容外科医療は夢を売る商売?
私は、「美容外科医療は夢を売る商売」、とはどうしても思えないのです。手術にしても美肌治療にしても、自分の経験や知識から学んだ考え方や感じたことをそっくりそのまま患者さんにお話ししてしまいます。
最初から治療の限界、ダウンタイム、副作用などネガティブな話になりがちで、せっかく夢を求めて来院された患者さんにがっかりさせてしまうこともあります。申し訳ない、と思いながらも最初に申しあげておかないといけないことは全部話してしまうのが自分流です。
そういうカウンセリングをすると7割ぐらいの人は治療に躊躇されてやめます。私はそれでよかったと思うようにしています。逆に治療を受けていただけた患者さんには、期待以上の結果だったと後々喜んでいただけると確信しています。
こういったことをいうのは、なにもええかっこしいで言っているわけではありません。私の「わがまま」にすぎないのです。そのほうが患者さんと無理なく長くお付き合いできると感じているからです。
自分のクリニックになってからこういった「わがまま」がひどくなっているように感じます。経営のことを考えて自分の方針を曲げてしまう、そういうことが絶対にないように日頃から自分自身やクリニックの経営状態に常に注意している結果です。
大きな借金を抱えての「不健全なクリニック経営」では、こういった「わがまま」な美容医療はできません。少しでも稼がないと借金が返せない、となれば、最初から患者さんに不都合な話は極力しないようになり自分の方針を貫けなくなります。高コスト経営(膨大な広告費、人件費、家賃)にも同じことがいえます。
でもこの「わがまま」が極端にエスカレートしないよう、時々は純粋に「夢」を売ることも忘れてはいけないと思う今日この頃です。