Stay hungry stay foolish

12月に入りました。受験シーズン到来です。

私は詰め込み教育賛成派でゆとり教育には疑問を持っています。

若い時に詰め込みをしなくていつやるのでしょうか。年をとってからつめこみなどという離れ業はなかなかできません。

脳が衰えるというよりは、ずるをすることを覚えてしまうからです。

だからこそ若いうちはなにも考えずにひたすら勉強する、仕事をすることが大事だということが最近つくづくわかるようになりました。

そのことが最初からわかっていれば、だれも悩まなくてすむのでしょうが・・。

若いうちは「なんでこんなことやらなかんの」と思ってしまうのですが、それがあとになって「点」が「線」にそして「面」につながってくることを実感するのです。

それがいわゆる「基礎」というものです。

「基礎」とは、築きあげると非常に強固で、どんな状況におかれても確信がもてる根拠になるものですが、それを強固にするまでが大変で何度も何度も同じことを繰り返し失敗しそこから学び・・を繰り返すことが必要です。

美容外科には形成外科的基礎が必要といわれますが、これらを身につけるためには「ばかになって」修練する時期が何年も必要だと思います。

私自身、形成外科医時代に、夜中の3~4時まで手術について眠い目をこすりながらひたすら皮膚縫合したこと。一生懸命手術したにも関わらず感染を起こして術後の傷の管理に泣かされたこと。微小血管縫合したところが詰まってみるみる移植した皮弁の色がかわってこちらの顔色もみるみる真っ青になってしまった経験。その患者さんの再手術を手術室に頼みにいって麻酔科医に思いっきり嫌味を言われ悔し涙がこらえきれなかったこと。嫌気性細菌感染をおこした巨大な床ずれの患者さんの手術で傷から発生するガスに、私も看護師さんも目をやられて暫く目が開けられなくて手術ができなかったこと、大病院でや〇ざ屋さんの刺青除去手術を断ったら怒鳴り倒されて気づいたら外来で二人きりにされていたこと、当直あけでそのまま出張しそこで長時間手術をおえてその後、車で帰宅途中高速道路で居眠り運転し死にそうになったこと・・数え上げたらきりがありません・・。

いまから振り返ればいろいろな場面で少なからず患者さんやスタッフの皆さんに迷惑をおかけしながらなんとかやらせてもらえていたのだと思っています。

それでも20年近くくじけもせずにやってこられたのはやはり「形成外科」「美容外科」がとにかく好きだったからだと思います。それがなければとても続けてこられなかったと・・・。