びっくりしました
昭和40年代を過ごした方であれば、一度は切手を集めたことがあると思います。私もちょうどそのころ小学生で、少ない小遣いで切手をかった覚えがあります。
この切手には大まかに「普通切手」と「記念切手」があります。記念切手には「月に雁」とか「見返り美人」などがあり、こちらはきれいで知っている人も多いのですが、それに比べて「普通切手」は地味で、実用的なものが多くあまり集めた経験のある人はいないのではないかと思われます。
ところが本当の「切手マニア」はこの普通切手しかも使用済みを収集するそうです。とくにこの普通切手のうち明治初期頃の「手彫り切手」にはおそろしく高額の珍しいものがあるそうです。
先日の「お宝~なんでも鑑定団」をみていたところ、1000万の借金のかたに預かった切手の鑑定を依頼したある会社の社長がでていました。
この切手が「手彫り切手」のうち1872年に発行された『「桜切手」の政府印刷』というもので、額面は当時ではやや高額の「20銭」、使用済みです。これが2枚です。
古いとはいっても所詮「普通切手」、見た目も非常に地味でそんなに価値があるものとはとても思えないのです。しかもストーリーがいわゆる「だまされパターン」です。たいてい借金のかたになるようなものは「くず」が相場です。
ところが鑑定の結果がでてびっくり!これが1枚2500万円!!2枚で5000万円!!!、これ以外に現存するものが3枚確認されていて、他のものは「大英博物館」などに保存されているとのことでした。
たしかに手元にあった古い切手カタログをみていると、何万種類とある切手のなかで、これだけが写真がなく未発見とかかれていました。
本当の切手マニアには垂涎のものと思われますが、それ以外の人にとってこの切手を所持する楽しみはなんだろうと考えるとこれほど「無価値」なものはないのではとないかと考えてしまいました。鑑賞する楽しみすらありません。
いずれにしてもものすごくびっくりしたのち、ふとさみしさを感じるすばらしい逸品でした。