メラニン色素のコントロール
しみの治療の難しさについてです。
ご存じのように、しみの部分はまわりよりメラニン色素が増えて目だっています。したがってこのメラニン色素を減らしてまわりから目立たなくすることが治療になります。
黄色人種の肌にはもともとメラニン色素があり白色人種のそれよりも多いのが普通です。したがってしみ以外の部分にもメラニンは適度にあるわけです。
しみの部分はメラニン色素の量がコントロールされていないとも考えられます。
ここにレーザーをあてるとメラニン色素は吹っ飛びます。もし仮にこのままだったとするとそこにはメラニンがなくなってしまうことになります。
メラニンがないと肌の透明度が増すので真皮の毛細血管網が透けて見えることになりピンク色にみえます。気温が高い場合には毛細血管が拡張してそこが赤く見えることすらあります。
メラニンをゼロにしてしまうとそこがかえって赤く目立つようになる、ということになります。
結局しみの治療は、しみの部分とそれ以外の部分の色調の差をなくすことであり、メラニンをゼロにすることではないと理解できます。
レーザーでメラニンがなくなった部分に適量のメラニンがもどってきてくれればいいのですが、それがとても難しいのです。なぜならしみのできた部分はもともとメラニンのコントロール機能が破壊されているわけですから。