21世紀は再生医療

21世紀は「再生医療の世紀」になるのは間違いないと思われます。美容外科も例外ではありません。

肌の若返りの「トレチノイン」治療も広い意味で「再生医療」といっていいでしょう。トレチノインはビタミンA群の中心物質で人体内にピコグラム単位で存在するものです。トレチノインを皮膚に塗ると皮内のトレチノインレセプターに結合、表皮基底細胞の増殖が起こり、肌の若返りが得られます。

「PRP」治療(多血小板血漿)も再生医療と考えられます。採血して血漿中の血小板を濃縮、これを皮内に注入します。血小板は種々の「成長因子」を放出するため、皮内の線維芽細胞が刺激されコラーゲン増生がおこり肌の若返りが起こるというものです。

私のクリニックでは、来年早々からこの「PRP」治療をさらに進化させた「W-PRP」治療を始める予定です。これについては後日詳しく書きます。

さらに線維芽細胞そのものを培養して増やし、これを皮膚にもどし若返りを図る方法も行われています。これも来春から始める予定です。

再生医療の優れたところは、副作用がほとんどなく繰り返しできることですが、弱点は効果がはっきりしない、効果の評価がむずかしい点です。要するに「ほんとに効いているの?」という疑問です。

この点の評価をクリアにしないと美容外科での再生治療の発展はないと思っています。ただ単に時流にのってなんでもかんでも「再生医療、再生医療」というのでは一時期のブームで終わってしまいます。

ここは大学病院とタイアップしてしっかりしたデータを蓄積するなどの長期的な評価をすることが重要と考えられます。