客観性のある根拠
患者さんから見てどこの美容外科クリニックがいいかを見極めるのはなかなか難しいようです。
とくに大がかりな手術を考えている患者さんの場合、クリニック選びは結果に大きく影響します。どんな方法でもいいからどこがいいクリニックなのか、どのドクターが腕がいいのか知りたいと思うでしょう。
われわれ美容外科医のあいだでもどのドクターの手術がうまいかどうかを判断するのは非常に難しいところです。ただあえて根拠とするに耐えうるものをひとつあげるとすれば、どのドクターがその手術をテーマにした論文を書いているかどうかです。
クリニックのホームページに載っている症例写真を参考にすることもありますが、我々プロの間でそれを高く評価することはありません。ホームページに掲載されている内容は、一般のかたにアピールするためのものであって学問的な客観性には乏しいと考えられています。
我々がもっとも信頼のおけるものとして考えているのは、われわれプロの美容外科医が読む雑誌(「学会機関誌」や「商業雑誌」とよばれるもの)に載っている論文です。
美容外科医同士がお互いの仕事をチェックするときは判断基準がもっとも厳しくなります。それに耐えうる資料として雑誌に論文として発表し症例写真やデータを開示します。もちろん雑誌の編集室もいい加減な論文を掲載するわけにはいきませんので掲載するまでに何回かのチェックを受けることになります。そしていったん世に出された論文は未来永劫残される資料になるのです。
論文内容は、いかに独りよがりの結論の導き方を排除するか、長期的にその結論が変わることがないかどうかが十分に吟味されていると考えられているわけです。
それに対してホームページをはじめネットに書かれていることなどは、それとはまったくちがった観点で語られ写真も掲載されていることを十分にご承知のうえ、吟味なさったらいいのではないでしょうか。