日本抗加齢医学会総会
先週、横浜で開かれた「日本抗加齢学会」に出席いたしました。
今回初めて出席しましたが、この学会は私が会員になっている美容外科学会とか形成外科学会とちょっと違っていて印象深いものがありました。
まず、会員資格がゆるいこと、医師以外の会員が非常に多く、一般の方も会員になっている方が大勢おられます。
講演も医学的ではあるのですが、一般の方が聞いても興味深い内容となっています。
面白いのは、発表している医師自身も、抗加齢治療を実践していることが多く実感がこもった内容になっていることです。
私も自分自身のために聞いた講演もあります。
たとえば癌予防のシンポジウムでは、テレビでネタになりそうな「ほんまでっか」的なものがあり、そのなかでいくつか紹介したいと思います。
まず常識的なところでは、煙草の害は100%実証されていることが国立がんセンターの先生から紹介されていました。
初耳的なところでは、βカロチンの取り過ぎは肺がんのリスクを高める、というものがありました。
癌のリスクばかりではありませんが、太りすぎによる心疾患のリスクが上がることは常識としても、アジア系の人はやせすぎも長生きできないことが分かっていて、一番長生きできるのはBMIが21~27あたりだそうです。
最近日本で増えている乳がんのリスクでは、閉経前はやせている人、閉経後では肥満の人にリスクが高いデータが紹介されていました。
コーヒーを飲む人は、肝がんのリスクは減るそうですが、膀胱がんのリスクは高くなることもいわれているそうです。
タバコ以外で100%癌のリスクファクターになるものはなかなかなさそうですが、運動することはリスクを下げることはかなり確実性があるとのことでした。
癌以外でも「長生きするための秘訣」的な発表もたくさんありましたが、一番聞きたかった講演は人気がありすぎて会場に入ることすらできない盛況ぶりでした。
学会期間中に形成外科や美容外科の先生たちとお話ししましたが、「我々の学会は閉鎖的すぎる、これぐらいいろいろな会員を入れたほうが発展しておもしろい」というのが共通した感想でした。
「へ~そうなんだ・・」という感覚で聞けることもあり、これはこれでなかなか楽しい学会でした。