第55回形成外科学会に参加して~美容外科診療に栄光があらんことを!

今年も形成外科学会に参加してきました。

いろいろな演題が聞けたことに加えて、普段なかなか顔を合わせられないドクターたちと直接会って話ができたことも有意義でした。

今の形成外科、美容外科を取り巻く様々な状況を肌で直接感じ、逆に今の自分の置かれている状況をも振り返ることができるいい機会でした。

その中でも特に感じるのは、ここ2年ぐらいの美容診療の内容の変化、それにともなうドクターや患者さんの意識の変化です。

非手術的な若返り治療の台頭は、すでに10年以上前から変わらない傾向でしたが、どちらかといえばエステの延長のような効果がかなりマイルドな治療法が多かったように思います。

しかしここ数年の傾向として、非手術療法でもそれなりにダウンタイムがあってその引き換えにはっきりした効果が期待できるものが主流になりつつあるように感じました。

美容医療は、時代とともに手術・非手術、ダウンタイムあり・なし、効果がマイルド・あきらか、という両極で、大きな振り子のようにゆっくりと常に変化している、ということを切実に受け止めさせられました。

その一方で、形成外科をきちんと習得したうえで開業を考えている後輩たちが、自由診療による美容外科だけで開業することをどちらかと言えばむしろ避けているようにしかみえない状況には、とてもさみしい思いがしたのです。

従来からある美容外科そのもののリスク管理やクリニック経営のむずかしさに加え、この次々に変化していく美容医療の変化についていかなければ取り残されてしまう最近の状況が、個人で美容外科専門のクリニックを開業することをさらに難しくしているのかもしれませんね(このことは私自身一番痛感しています)。

形成外科専門医をもったドクターたちが、形成外科の経験をフルにいかして真の美容外科診療を志しそれに専念していけるようになれば、日本の美容外科の未来も今後大きく変わるに違いないのですが・・・。