36回日本美容外科学会
今回の学会は久しぶりに自身の発表のないお気楽な学会となりました。
まず手術に関する発表についてですが、興味を引くようなものはあまりありませんでした。
これは年々感じるようになってきたことですが、美容外科全体の流れによるものか自分自身の問題なのか・・よくわかりません。
いつものようにほかのクリニックのいろいろな先生との情報交換をしたところでは、どこも手術が減ってきている、というのが共通した話題でした。
空いている時間で美容器械の展示をくまなく見て回り、こちらのほうは目新しいものがいくつかありました。
デモ器の貸し出しもいくつか頼めましたので、随時会員の方にお知らせしていく予定です。
(今後の予定ですが、イントラジェンは今月中に購入予定で、そのあと年内に痩身器械かニードルRFを決めたいと思っています。)
今回の学会で一番のサプライズは、学会の専門医制度についてのシンポジウムでした。
去年まではJSAPSとJSASの合併問題が話題の中心でしたが、これについては全く話題にならず(話がとん挫してしまったから当然といえば当然)、形成外科学会のサブスペシャリティーである美容外科学会として現況と今後の動向が報告されました。
こちらは確実に前に向かって進んでいるという印象で、2017年までに相当な変革が学会を襲う可能性があります。
まず新しい専門医制度における専門医の位置づけが明確に示され、それによると専門医にはいわゆる「スーパードクター」ではなく「標準的な美容医療を提供できるレベルに達している」ことが要求されるということです。
したがって今後JSAPSの専門医が大幅に増える可能性があるということ・・・現在は国内で50名ちょっとで、これはほかの学会に比べて異常に少ない・・・・で、専門医を増やすためには専門医を養成する認定施設を大幅に増やさなければいけないということになります。
ほかの科であれば、大学病院や市中病院が認定施設になるのですが、美容外科の特殊性で患者さんが開業医に集中しているので認定施設には大学病院と開業医施設が補完しあう制度が必要であろうということも示されました。
また専門医を目指す専攻医を指導する指導的立場の専門医が必要で現在のJSAPSの専門医がこれにあたる可能性が高いと思われます。
新しい専門医制度と学会制度には他にもいろいろな問題点をクリアする必要があります。
それにしても学会問題は去年に比べてかなりの進展が見られたと言えそうです。
このことが患者さんにとって良質な美容医療機関の判断の助けになるのであれば歓迎されるべき改革といえます。