美容外科学会に参加して

昨日大阪で開かれた「105回日本美容外科学会」に参加してきました。今回は非常に演題が多く、内容も充実していたと思います。

私も「シンポジウム:スレッドリフトの効果の限界に挑む!!」で発表させていただきました。私を含めて6名のシンポジストの発表がありましたが、どちらの先生も豊富なご経験を発表されていてたいへん参考になりました。

私が印象に残った発表はT先生のスレッドリフトによる長期的成績でした。

3年ぐらいの長期結果でしたが、効果が明らかに持続していました。ミッドフェイス領域をスレッドリフトで、それ以外はフェイスリフト手術による複合治療だったと思いますが、写真でも明らかに効果の持続を確認することができました。

私が常日頃考えておこなっているフェイスリフトにもっとも近い発表であったので、共感がもてました。秋の学会には私もこの「複合フェイスリフト」という趣旨で発表する予定にしていますので参考になりました。

この「複合フェイスリフト」という考え方は、簡単にいえば顔の部位によってたるみ治療の方法を選択していく治療法です。今回の私の発表の趣旨のひとつでもありますが、たとえばミッドフェイス領域に限って言えば、「スレッドリフト」による治療が従来の「手術療法」をいろいろな面で上まり、逆にフェイスラインは「手術療法」(つまりフェイスリフト手術)の方が優れていると考えています。

美容外科治療で常日頃から私が考え、実践する際のモットーは、「方法」は「患者さん」に従う、です。

いろいろな新しい方法が開発されたとしても、治療法は「患者さん」の次に来るものと考えているのです。

スレッドリフトはできるが、フェイスリフトの手術はできない、というのでは、「方法」に「患者さん」を従わせる、になってしまいます。

過去にも書きましたが、アプトスなどのスレッドリフトで顔のすべてのたるみを改善しようとする治療は明らかにまちがっていました。

その見地にたって、我々医療を提供する側に求められているのは、いろいろな治療方法に精通しているということが必要だと考えます。新しい治療法を単に身につけるだけでなく、その適応、長期結果、副作用などすべてに精通していることが必要です。

いろいろな学会やセミナーに参加する意味はここにあると思っているのです。新しい治療については、とにかく国内外問わずもっとも多くの経験をされている開発した先生の生の声を直接伺うことが第一、と考えています。