学術論文をさがす

先日のブログでも書きましたように、いま10月の原稿締め切りに向けて準備中です。

学術論文を書くにはそれなりに準備が必要です。はじめての手術をするときの準備も同様ですが、我々は前もってそれに関連した論文を集めます。

ちなみに手術のことをいえば、教科書的なものは研修期間中にほとんどすべてを習得できますが、それから先は独学で論文を読んだり、学会に参加して情報をえてそれをもとに診療をしていくことが中心になります。

論文にしても、手術にしても新しいものは自分ひとりの思いつきでできるわけではありません。

博士号の論文を書いたときの経験からわかったことですが、私のような凡人が考えつくことは、必ず世界中に最低でも10人はすでに考えついています。その10人の中に論文まで書いている人が一人か2人はいるものです。

自分で論文を書くにはまず業界誌・学会誌と呼ばれる雑誌から関連した論文を探すことになります。

具体的にあげれば、美容外科領域になると「Aesthetic Plastic Surgery」、「Aesthetic Surgery Journal」、「Plastic and Reconstructive Surgery」、「Clinics Plastic Surgery」などが主なもので、その中から探すわけです。

10年前はこういった論文を手に入れるのも一仕事で、大学の図書館にいったり、医局にいって探さなければいけませんでした。

たいがい論文を書くのは夜になりますので、執筆中に参考にしたい論文があると夜中でも大学まで探しに行くこともありました。

ところが最近はこういった学術論文もITの発達で、自宅に居ながら簡単に探すことができて、論文もすぐに手に入れることができるようになりました。

Journalの発行会社のサイトの中にリサーチ機能を用意しているところがほとんどですので、それを使うと自分が探している論文が一発で見つかるのです。

論文集めは非常にらくになりましたが、それにともなって論文がどんどん書けるようになったかといえばそんなことはありません。